【めざせ!ブルース・リー】


突然やねんけど、
「俺の親父は武道オタク」
やねん。
ブルース リー [OSP-780] [ポスター]


別に「武道場」を開いて、飯、食ぅてた訳やないし、
単純に「武道」が好きで、研究・追及してただけやから
ウチの親父は、立派な「オタク」やと俺は思てる。


ほら、どこぞに「免許」とか「資格」を
いっぱい取る奴っておるやん、
あんな感じの「武道版」ちゅうたら
わかり易いんかなぁ。


空手に始って、柔術合気道・居合い・・・
挙げてたらキリあらへん

「なんぼほどやっとんねん」っちゅうほど、
「武道」には精通しとる。
そんな、親父が「一人息子(俺)」に
何もさせへん訳ないやん・・・


ちょうど、俺が子供の頃に…
「“ブルース・リー“ブーム」
ディレクターズ・カット 燃えよドラゴン 特別版 [DVD]
ちゅうのがあってん。


映画「燃えよドラゴン見たときは
(うわぁ、強ょ! めっちゃカッコえぇー!!)
・・・って、俺も衝撃を受けたガキの一人やったンやけど
あん時、主演のブルース・リー」の影響で、
「武道」に目覚めた人も俺らの世代には少なない
はずやで。


でもな、ブルース・リーが「中国拳法」の達人やからって
明日からすぐに「中国拳法」やろか!
って事にはならへん。


なんちゅうても、
ここは「日本国」や、
「中国拳法」を教えてる所なんか
そない簡単にはあらへんで。


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ま、たいがい映画で覚醒した少年(ら)は
安易に近所の「空手教室」の門を叩いたはずや。
それ以外ちゅうたら「中国拳法」は、
やっぱ「卍少林寺拳法」や!

得意げに、我が息子を送りだした親父も
居るンやろーけど・・・
あれ「似てて、異なるモノ」で、


あれ、残念ながら「日本製」やねんなぁ。


そんな中、「武道オタク」の俺の親父は、
とんでもない事を考えとってん。

思いつく発想が他の人とは全然ちゃう!


そーか、「中国拳法」かぁ、ほんなら・・・


「中国本土にある
“崇山少林寺(すうざんしょうりんじ)
に入門せー!!」

          
この親父、一人息子を「中国拳法」の総本山

マジに送り込むつもりや・・・。
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「武道」の研究の為に息子を「坊主」
にしたろ
ちゅうねんからタチ悪い。
ま、当時、中国と日本はまだ「国交回復」してなかったら
それは、なんとか免れた
けど・・・。


でも、「武道オタク」の親父はそんな簡単には諦めよらへんヮ。
どっからか『中国との文化交流やってる団体』、見つけてきて
中国語や卓球、切り絵、書道なんかを平和にやっている所に


「“中国拳法”文化交流にならんのかぁ?」


脅した?か尋ねたかどうかは定かやないけど…。(笑)
すぐその後に、俺は太極拳(たいきょくけん)」教室に入れられてた。


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太極拳」ちゅうのは、TVで見たことあるやろ?
ほら、中国で、朝早よーに小さい子供から年寄りまで

みんなで踊ってるようなゆっくりとした動きの「健康体操」

みたいな、あれ!あれっ!!
最初は、(こんなんやって、「ブルース・リー」みたいに

ホンマに強よなれるんかなぁ?)って不安で一杯やったヮ。


太極拳教室」の「武術指導リーダー」は、
親父に近いモノがある「武道オタク」ような人
やってんけど
“健康体操的”な「太極拳」を教えながらも、
実は密かに大きな企みがあってん…。 


俺が、教室に通っている間に生徒も序々に増えてきて、
そのうち中国からも「名誉師範」が来日するようになってきてんわー。


初め「二十四式簡化太極拳」(初級)しかなかったカリキュラムも
次は(中級)の「楊家太極拳」(四十八式)までも教えてくれるようになったわ。
でも、やっぱその動きはスローで、体操みたいやから
ブルース・リーの強い“中国拳法”のイメージまでは、まだまだ遠い道のりやった。


さらに、時間が経つと、またまた参加者も増えて、
(初級)(中級)の他についに(上級)『陳家太極拳が設けられてん。
習とたら、この“古武術”である「原型の太極拳」ちゅうんは、
「武術要素」がかなり高ぉて、

「うわぁ、今度のん、何か今までのんとは、全然違うヮ!」


スピード、早や!
“突き”も“蹴り”もよーさんあるヮ!!
やったーっ!
何かやっと理想の拳法らしくなってきたぁ〜!(喜)

(これで、ちょっとは「ブルース・リー」に近づけるヮ!)


で、さらに時は流れ、
俺は、(初級)を教える“指導者”となって
「陳式太極拳」を会得しようちゅう、とある日…


中国から来日した「名誉師範」は、
一見かなりヨボヨボのお爺ちゃん…

聞くところによると今回の先生はかなりの『達人』やったはずやねんけど…?


“最少年指導者”のオレが呼ばれて、
ありがたくも「稽古」をつけてくれるらしいヮ。

「全力で、遠慮せずにかかってきなさい!」と師範。(通訳済)

(って、知らんでー!もうオレ、かなり鍛えてるでぇー!)
「ええいーっつ!」って遠慮なく拳を突き出すと…


触れたとたんに、吹っ飛とばされた!!


な、何が起こったんやぁ〜!?(驚)
一瞬やったから、自分に何が起こったかわからんけど
確実に判ったことが一つ…


「やっぱ、この爺さんは“只者”やなかったヮ。」


達人になるとこんな事も出来るンやぁ〜と思うとかなり希望が湧いて、
それからも勿論、更に鍛錬に励んだ
(やっぱ、「ブルース・リー」みたいになれるンやー!涙)



さらに時は流れ、教室も受講者は安定してきて、
指導者もぼちぼち育ってきた頃

、「武術指導リーダー」は
ついに「武道オタク」の本性を剥き出し“密かなる企て”をついに発表した。


「えー、この度、かつてから我々の強い想いであった“文化交流団”の一員として〜


〜武術交流に中国本土へ行く事になりました!」


(あ、狙いはこれやったんかぁ〜!)

あっち(中国本土)に行ったら
どんな種類の「中国拳法」でも習い放題やぁ!

中国と「国交回復」してないから、普通やったら絶対無理やのに…


何があっても…何年かけても…
絶対に中国で「武術」教えてもらおっちゅう、
「武道オタク」の執念を見たわ!


えっ、「ブルース・リー」には近づいて、強ょなったンかって…?
そんな事は、どーでもよーなってん!
「決められた形にとらわれたらアカンねん!」って
ブルース・リー」の哲学には、少し近づけたかも…


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